相続もれ財産、放置財産の調査、事務手続きのことなら東京都千代田区の「千代田コンサルティング」お任せください。
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生前本人が財産目録を作成していたのに「大物弁護士でも漏らしてしまった証券会社に残した株式」

 近年、終活(自分にもしものときが訪れた場合に備えて、財産の記録や葬儀への希望などを記録し、周囲の人に伝えておこうとする活動で、エンディングノートの作成などを行う)が一般的になってきており、生前に自分の財産目録を整理しておく人が増えました。しかし、本書でも繰り返し述べている通り、何らかしらの理由で、自分の財産を忘れてしまうこともあります。それは、どんな人でも有り得ることです。

 ここで紹介するのは、たとえ法律や相続に精通しているはずの人でも、「うっかり」があることを教えてくれる事例です。

 

 その方は、とても有名な弁護士で、数々の要職にも就いておられました。また、お子さまの中にも弁護士がいるため、相続手続きに関しては、ご本人も、ご家族も全く心配無用な一家だと呼べるご家庭です。

 

 その方は、ある年齢に達し、自分から進んで遺言書を作成しました。中には当然、財産目録も含まれています。

 しかし、意外なことに、これが落とし穴でした。

 相続は、とてもスムーズに運びました。何せ事前準備が整っていたので、相続人たちも何ら疑問を感じず、手続きが完了したそうです。

 しかし、私どもの調査の結果、完璧を期したはずの財産目録に記載されてない財産の存在が明らかになりました。本人名義の株を発見したのです。

 現代では、株券そのものを名義人が手元に持つことはほとんどなく、証券会社から送られる書類で取引内容を確認することが一般的です。つまり、その書類が残されていないと、周囲の人(場合によっては自身も)がわからないことが多いのです。

 このケースでは、取引を本人が行っていたため、ご家族もその内容を詳しく知りませんでした。また、複数の証券会社と取引をしていたこともあり、本人も「うっかり忘れてしまっていた」のかもしれません。

 

 相続手続きを行ったのは、弁護士であるお子さまですが、お父さま自らが作成した財産目録が完璧なものだと信じるのは当然で、記載漏れがある事実を知らないために、そのまま手続きを行ってしまったのです。

 当初は半信半疑だった相続人の方々も、証券会社の書類と財産目録を比べて、やっと納得してくださいました。

 

 このように、自らが財産目録を作成したとしても、記載されない財産はたくさんあります。それがたとえ、法律のプロでも、決して不思議ではないのです。

 記載されない財産は相続されず、そのまま放置財産となり、種類によっては後から申し立てても取り戻すことができないものもあります。たとえば、銀行預金の場合は、振込や通帳記帳などがなく、10年間放置されると、その銀行のものになります。これはとてももったいないことですね。ですから、身近な方が遺言状を作成したり、エンディングノートを準備する場合、「本当に漏れはないか」の確認を促すことも重要です。財産が他人のものになってしまうことは、ご本人にとっても好ましくないはずです。

東京都・杉並区

被相続人:父

相続人:妻・子(3人)

総額:約1700万円